白衣の“ペ”天使

フツーの理科の先生が、日頃のできごとをフツーに綴るフツーの日記。・・・ところで、フツーって何だっけ?

カルネアデスの板

とある交差点で、信号待ちをしていた。
後ろから来た救急車がサイレンを鳴らして交差点を駆け抜けた。
横で待っていた親子連れの会話。

子:「あ!信号無視したよ!」
母:「救急車は人の命を救うために急いでるからいいのよ」
子:「そっか。じゃあ、交差点で二台同時にきたらどうするの?」
母:「そしたら・・・青信号の方が先に行くのかしらねぇ?」
子:「ふぅん。それならさすがの救急車も赤信号で止まるんだね」

・・・す、すごい。
なんという鋭い質問。
そして、なんという的確な切り返し。
もはや哲学だな。

ふと、『カルネアデスの板』の話を思い出した。

舞台は紀元前2世紀のギリシア。
一隻の船が難破し、乗組員は全員海に投げ出された。
一人の男が命からがら、一片の板切れにすがりついた。
するとそこへもう一人、同じ板につかまろうとする者が現れた。
しかし、二人がつかまれば板そのものが沈んでしまうと考えた男は、
後から来た者を突き飛ばして水死させてしまった。
その後救助された男は殺人の罪で裁判にかけられたが、罪に問われなかった。

現代の日本の法律でいえば、刑法37条の「緊急避難」に該当する為、
この男は罪に問われない。
《出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』》


救急車一台で、こんな深遠なテーマについて考えさせられると思わなかった。
恐るべし。

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